一人で車を走らせながら、山奥へ。間違えて細い道に入りそうになり、少し冷や汗をかきながら、なんとかShihoさん宅に。6月の撮影から、久しぶりに訪れたご自宅は改修工事が大きく進み、大きな窓から見える山の木々がKitoNeの景色になっていました。
今回は、Shihoさんのこれまでの人生とともに、今の暮らしやKitoNeについてお聞きしたいと思います。
ー管理栄養士の資格を取得するも、大手のヨガスタジオのインストラクターとして会社で働いていたShihoさん。そこからなぜフリーランスの道を選んだんですか?
新卒で入社した大手のヨガスタジオで、インストラクターとして4年3ヶ月働いていました。当時は毎日スタジオレッスンをしていましたね。会社も好きで、仕事もとっても楽しかったんですが、周りに気を遣って休みをとれないことや、学びの時間を自由にとれないことが少し苦しくて。お金の面でも、フリーランスのメリットを知り、一生会社員は違うかも、と思いました。その時、”ファスティング”と出会い魅了され、その分野をもっと極めたくなりました。運良く、会社の中で新規事業としてファスティングに関わらせていただく機会も生まれ、トップの成績を出せたことで、独立して一人でやってみてもいいかも?と思えるようになりました。
ー会社員からフリーランスになる時、不安はありましたか?
意外とそこまでの不安はなかったかもしれません。会社を辞めた後も、ありがたいことに業務委託でスタジオのレッスンを持つことができました。空いた時間を使って、ファスティングの発信に取り組み、前職で出会っていた健康志向の高い方がお客様になってくれました。マンションの一室を使って、ファスティングの講座やお料理についてお伝えしていたのですが、可愛い盛り付けの料理もお客様がとっても喜んでくれて、自然と広まっていきましたね。
ーその時は、都会のマンションに住んでいたんですね。どういったきっかけで田舎で暮らそうと決めたんですか?
一度きりの人生、好きなことをしてワクワク生きたい!とわたしは思うタイプですが、当時、夫は公務員で救急救命士でした。お給料はいいものの、実際は働く環境や、上司への不満、リアルな医療の現場に疑問を抱えながら、この道で先に進んでも魅力を感じない、と常々言っていたので、私が「辞めたいなら辞めたらいいやん!」と背中を押し、辞めることになりました。
私とはタイプが真逆で、不安を抱えやすい人。一緒にいるうちに私も不安になってしまって。やめさせてしまった分、私が二人分稼がないと、と勝手にプレッシャーを感じてしまいました。お金や数字が目標になってしまって、仕事が少し辛くなった時期でした。その時、都会の中で駅にいる通勤者の方の姿や音、忙しない空気を感じると、何もしていない自分が駄目だと焦る気持ちになって苦しくなってしまったんです。
そんな時、”ヨガとパーマカルチャー”という分野に出会いました。自然との循環を大切に、畑仕事をすることや、地域とのコミュニティを大切にする暮らしに魅了されました。もともと山奥の村で生まれ育ち、田舎が嫌いで都会に来ましたが、この暮らしは私が生まれた場所でできることかも!と気がついたんです。
巡り合わせで、実家の親戚の家がたまたま空いてたので、そこで仮暮らしをしながら、実家の離れを改修して今住まいづくりをしています。
ーここで暮らしてみて新たに感じること、今思うことはありますか?
こちらに移り住んだばかりの時は築100年の古民家に仮住まいさせてもらっていたので、冬の寒い時期に、毎日水シャワーで辛かったこともありました。寒さも辛くて、日当たりも悪く、気の巡りも悪い感じがしました。その反面、この不便さをどう楽しもうかな?と思えてる自分もいて。ただ、もともと私はここで生まれ育ったのでなんとか乗り切れましたが、夫はつらそうでした。夫を連れてきてしまった自分に対して、少し責める気持ちもでてきて、辛かったですね。
ー楽しいばかりではない暮らしだったんですね。ただ、その時からインスタグラムで沢山の人にShihoさんの活動や暮らしの魅力が伝わり始めた時期だったのでは?
そうですね。古民家暮らしを発信し始めて、最初は2000人だったフォロワーが、1ヶ月で1万人まで増えて、今では3.8万人まで伸びました。そういう点では、山の神様のおかげだなあ、と思っています。このタイミングでフリーランス1年目を終えて、2年目に会社KitoNeを設立しました。
ここで暮らしてから自分の活動の魅力や可能性も増えて、この土地で生まれた理由を改めて考えるようになりました。この土地に恩返ししたいなあ、という想いもあり、今ここでの暮らしの魅力を伝えています。
ー今後はこの場所と、オンラインとどちらも活動されるんですか?
そうですね。対面でお会いできる仕事も好きなんですが、少しエネルギーを使ってしまうので、対面は少なめにオンラインでの仕事を充実させていきたいな、と考えています。ただ、対面の機会では、できるだけこの自然の中で、わざわざきてもらうことを大切にしていきたいと思っています。
ー管理栄養士、ヨガ、ファスティング。体に関する知識や実績が多いShihoさん。今後はどういったことを軸にKitoNeを伝えていきたいですか?
あくまで伝えたいことは食なんですが、ここで暮らすようになって、”暮らし”を通して食の大切さを広めたいと思うようになりました。着る服や住まいなど全てを含めて自然の大切さを伝え、その中で一番大切なのは食、だということを伝えていけると嬉しいです。実はいつか古民家の改修やリノベに携わって、不動産事業とかも面白いのかな、と思っています。
ー1番大切なのは食。食を通してどんな人を増やしていきたいですか?
ここ数年で、心のケアの大切さも痛感しました。今はSNSで、肩書きや数字で評価されてしまう時代なので、そうではない誰でも持っている自分らしさを感じて欲しいです。食べ物や服などもより自然に近づくことで、自分らしさもより自然になっていくのかな、と感じています。身も心も自然な状態の人を増やしたいです。
食が整うと、心も暮らしも豊かになっていく。そんな人を増やすための気付きをこの場所で作っていきたいと考えています。
Mamo後記
山奥の自然を眺めながら都会に戻る道中、「自分がもしこの場所で住むとしたら?」と今の暮らしを考えるきっかけに。夕日の光が柔らかく当たる緑をみながら、田舎生まれの私は、ほんの少しの恋しさを感じる時間でした。また都会に疲れたら、KitoNeに遊びにいきます。
profile
SHIHO USA
「ワクワク!イキイキ!の輪を広めたい」幼い頃から料理がすき!パティシエが将来の夢。食べることもだいすきなので、管理栄養士を目指すしかし医療の現実を知り、学ぶ内容も「思ってたんとちゃう…」となる。管理栄養士の職につくのを諦め、人前が大の苦手だったにも関わらず、自分を変えたい!内側からキラキラした人になりたい!と大手ヨガスタジオのヨガインストラクターとなり、人見知りを克服ヨガに出逢って外見だけでなく、こころの在り方の大切さを知る。2021年にファスティングと出逢い、改めて「死ぬ間際まで自分の口で、好きなものを食べて死にたい」「カラダだけでなくココロの在り方こそ大切」と氣づく食の本質を学び、これは伝えなければならないという使命感に駆られ、2022年夏に独立、ファスティングや食改善のサポートを本格的に開始。「ありのままにナチュラルに生きる」をモットーにVEGAN、グルテンフリーでも美味しいナチュラルでヘルシーな食を発信中。
何を食べ、どう生きるか?を大切に、食を通じて、一人でも多くの方の人生が変わるきっかけに
そして日本の未来を、食を通じて変えていきます。
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STUDIO TOMORI
「心に火を灯す仕事を」をコンセプトに、小さな想いや声に火を灯し、
導きながら、心を繋ぐデザインや対話を生み出します。
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